乳首開発前

乳首開発前


セフィカズ乳首責めネタ

未開発の頃のSS


SIDE セフィロス

 

「カズヤ」

お互いの区切りを迎えると限界まで上り詰めた興奮が落ち着いてくるが、その熱が冷めきらぬうちにわざと熱を込めてカズヤを呼んだ。余韻を端へ追いやるように乱れた呼吸を整えていたカズヤは少し眉をひそめたが、乗り上げる私を押しのけることはなかった。たとえ拒否されてもおとなしく引き下がるつもりは無かったが、されるがままになっている様に好きにして良いと受け入れられている気がして満足だった。

カズヤの厚みのある柔らかな胸筋の真ん中、ひときわ色濃く小さな主張をする突起に舌を這わせる。一瞬身じろぐような動きを見せるが、それは舌が皮膚を濡らす感触かせいぜいくすぐったさに反応したに過ぎないだろう。構わず乳輪をなぞり舌先で押し潰すと、フワフワと柔らかな感触を返していたそこがふくりと硬く存在を主張し始めた。空いているもう片方の乳首も左手できゅっ、と優しく摘みそのまま親指と人差し指で撫でていると芯を持ちながら何とも言えない弾力を返してきた。


「…ん、フッ…勃ってきたな」

「……」

カズヤが私の手で反応しているのが嬉しくそれをそのまま伝えたのだが、何か言いたげなそぶりを見せるものの結局勝手にしてろとばかりにため息一つで放っておかれてしまった。

今はそれでも良かった。他人を寄せ付けない男が目の前で無防備な姿を晒し、その体を好きにすることを許される距離にいることで十分だった。だいたいこんなにも平然としていられるのはほんのわずかな間なのだ。行為のたびに弄っている乳首はやがてカズヤの性感帯に育つだろう。卑猥な悦びを感じる器官に作り替えるのは考えるだけで愉快だ。

 

粒のひとつを口に含み吸い上げ、強制的に勃起させたそこを押し込むように舌で潰す。左手の突起もクリクリと転がし、時に軽く弾いてみる。そうやってカズヤの乳首を可愛がってやっているというのに、あろうことか頭上からの寝息が徐々に深くなり始めた。

 

奉仕している恋人を放って一人落ちるなど到底許されることではない。当然の権利だとカズヤを起こすため舌で捏ねていた乳首に噛みつき、左の指はぎゅぅうっと強く抓りあげた。

「—————っっつ!!?」

次の瞬間には前髪を鷲掴みにされ、左手首は掴まれギリギリと音を立てていた。

素晴らしい反射神経だ、痛い。

「貴様…。何のつもりだ」

「んぅ…、それは私のセリフだろう。行為中に寝るのが恋人に対する仕打ちか?」

 

地を這うような不機嫌な低音にそう反論するとしぶしぶといった反応で手を放し、一つ大きなため息をつくと再び体をあけ渡してきたので遠慮なく開発に戻る。強く刺激したためか先ほどより濃く色づき硬く勃った突起を愛でていると、ふと髪に触れられる感触があった。

前髪の根元辺りをつつかれたかと思えば一房掬い上げるようにして手に取られる。

 

カズヤの大きな手が髪を梳き頭に触れる感触がなんとも心地よく、もう少しこのぬるま湯のような時間を堪能するのも悪くないようにも思えてきてしまった。

 

 

SIDE カズヤ

 

「カズヤ」

お互いの区切りを迎え限界まで上り詰めた興奮が落ち着いてゆき、余韻に浸りながら全身の力を抜いてベッドに身を沈める。不規則に乱れた呼吸を整えていると、まだ交接の熱を残したままの温度で名前を呼ばれた。セフィロスの呼びかけが今まで何度も聞かされ受けてきた行為を望んでいると雄弁に語っていて、またかと少し眉をひそめた。それの意図はまるで分からないが拒むのも面倒で、ついで息を落ち着けたかったのでそのまま好きにさせることにした。

胸に顔を埋め、そこだけ色が違う突起を舐められる。ぬるりとした舌の感触とそれが肌の上を這うのがこそばゆく、あまり歓迎できる気分にはならない。そんなことを考えてる間に構わずセフィロスは周囲をなぞるような動きをしたかと思えば押し潰し、左手も反対の飾りを摘まんだり撫でたりと熱心に弄り始めた。

 

「…ん、フッ…勃ってきたな」

嬉しそうに変化を伝えてこられるも何と言えばよいかわからず、結局ため息一つで押し黙ることになる。単に刺激されて立っただけだろう、寒くても立つ。

こうなるとすることが無いのでセフィロスをぼんやり眺めていた。何のためにしているのか全く理解できないし、聞いたところでやりたいからだとしか返ってこないのでもうこれは趣味のようなものなのだろう。男が男の乳首を熱心に吸う姿は何とも滑稽だが、女でもなかなか見ない長髪を携えた恵体の美丈夫ともなればある種倒錯的な艶やかさがあるようにも思う。

 

そんなことを考えている間も吸ったり弾いたりと絶え間なくいじくるってくるが、俺はというと手持ち無沙汰で徐々に意識がおぼろげになってきていた。相変わらずこそばゆさは感じつつ事後の気怠さも相まって催す眠気に逆らわず、瞼を閉じて意識を沈めようとした。

 

「—————っっつ!!?」

が、次の瞬間両方の突起を襲う強烈な刺激に一気に覚醒する。このクソガキ噛みつきやがった、いくら頑丈とはいえ抓られれば普通に痛い。そのままの勢いでやめろとセフィロスの前髪を鷲掴み、左手首を思い切り握りしめた。

「貴様…。何のつもりだ」

「んぅ…、それは私のセリフだろう。行為中に寝るのが恋人に対する仕打ちか?」

 

怒気を込めて威圧するも平然と返される。普段通りのセフィロスに怒気もやや削がれ、一応ベッドのマナーに思うところも無いではないため不本意ながら手を離す。そうして再びベッドに体を横たえると、セフィロスは何事もなかったかのように乳首に執心し始めた。

すっかり目は覚めてしまったものの、やはりすることはないのでセフィロス…というより目の前で動く頭を見ているしかない。む、旋毛があった。

特徴的な前髪の根元に見つけた渦巻に触れ、そのまま後ろに流れる銀髪を手に取る。大切に手入れを欠かしていないと聞いた髪は、なるほど滑らかに手から零れ落ちてゆく。サラサラとしたその感触が心地よくゆっくりと繰り返していると、わずかに頭を手に寄せてきたのでそのまま撫でつけてやった。

 

変わらず口で手で乳首を弄りながら嬉しそうにため息をつくセフィロスを見て、この男を甘やかしているような感覚にこちらも満たされるような気がしてくる。でかい子供が満足するまで可愛がってやろうというらしくない気持ちに戸惑うも、決して悪い気はしなかった。

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